Shopifyとはどんなプラットフォーム?機能や料金、導入方法を解説

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Shopifyとは

https://www.shopify.com/jp

Shopify(ショッピファイ)とは、ECサイトの構築・運営ができるプラットフォームです。もともとはカナダで開始されたサービスでしたが、現在では世界的に広く利用されています。サブスクリプション型のサービスとなっているため、月額料金のみでECサイト運営を始められる点が評価されており、導入実績は2021年時点で170万店以上です。

従来、ECサイトの開発においては、自社サーバーを用意してパッケージソフトを導入する必要がありましたが、Shopifyではアカウントを作成するだけでECサイトを開発できます。

また、初期費用がかからない点も魅力的です。そのため、低コストでEC開発を検討している企業にもおすすめできるプラットフォームです。

Shopifyが選ばれる理由

前述のとおり、Shopifyはもともとカナダで運営されており、2017年に日本国内で本格的にサービスを開始しました。以降は日本における導入実績も伸びており、2020年には新規ショップ数が前年比2.3倍になるなど拡大を続けています。

Shopifyが支持されている背景には、EC運営に関するトレンドの変化が関係しています。ひと昔前までは集客力の高いECモールが主流でしたが、近年では競合他社への差別化を目的として自社ECサイトを開設するケースが増加している傾向です。

Shopfyは手軽に自社ECサイトを構築できるうえ、カートASPのなかでもデザインや機能が豊富であることが理由となって、多くの事業者に選ばれているといえるでしょう。

Shopify Lite・Shopify Plusとの違い

Shopifyは、事業規模やニーズに応じたサービスの展開に力を入れており、メインサービスとなるShopifyのほか、Shopify LiteとShopify Plusも提供しています。

Shopify Liteは、新たにECサイトを構築するのではなく、既存のWebサイトにショッピングカート機能のみを追加できるサービスです。コーポレートサイトやブログサイト、SNSなどに商品ページと購入ボタンを設置するだけでEC機能を実装できます。月額9ドルとリーズナブルな価格設定となっており、手軽に利用できる点が魅力的です。

Shopify Plusは、複数ストアの運営、より多くの取引などに対応できるサービスです。通常のShopifyに比べてカスタマイズ性に長けており、既存システムからのデータ移行、キャンペーンの自動化などの機能も実装されています。

月額費用は2,000ドルからと高めに設定されていますが、大規模なECサイトの構築に最適化されたエンタープライズプランとなっています。

Shopifyの基本機能

引用:pixabay

Shopifyの基本機能は、大きく分けてフロント機能・バックエンド機能の2種類があります。

以下では、各機能の詳細について解説します。

フロント機能

フロント機能とは、顧客が操作するストア画面に関する機能です。Shopifyのフロント機能には、以下のようなものがあります。

  • 商品ページ編集
  • カートチェックアウト
  • 顧客管理
  • ブログ
  • レコメンド
  • 予約販売
  • 詳細検索

バックエンド機能

バックエンド機能とは、システム管理や分析などのバックオフィス業務に関する機能です。Shopifyのバックエンド機能には、以下のようなものがあります。

  • テーマ編集
  • 商品管理
  • 注文管理
  • 販売チャネル
  • 決済
  • メルマガ配信
  • クーポン配信
  • アプリ管理

最低限入れておきたい!Shopifyのおすすめアプリ

引用:pixabay

Shopifyには、3,000種類以上のアプリがあり、アプリをインストールするとシステム上に機能を追加できます。しかし、あまりにもアプリの数が多く、どれをインストールすべきかわからない方も多いでしょう。

以下では、ECサイトの開設後にインストールしておくべきアプリについて解説します。

Shopify Payment

Shopify Paymentは、外部決済サービスを契約しなくても、クレジットカードなどのオンライン決済ができるアプリです。クレジットカードだけでなく、apple payやGoogle payなども利用できるため、さまざまな決済手段を導入できます。

また、Shopify Paymentを導入すると、取引手数料が無料になります。通常、取引手数料は0.5~2.0%に設定されているため、大幅なコストカットが可能です。

Shopify POS

Shopify POSは、POS(Point Of Sale)システムを導入することで、商品の販売情報や顧客情報などを管理できるアプリです。実店舗にShopify POSを導入すれば、オンライン・オフラインチャネルを統合して、在庫や顧客に関するデータをShopify上で一元管理できます。

マルチチャネルにおいては、各チャネルの連携によってサービスを充実させられる面もあるため、Shopify POSの利用はおおいに役立つでしょう。

定期購買

定期購買は、株式会社ハックルベリーが提供するサブスクリプション(定期購入)システムを導入できるアプリです。アプリを利用すると、ほかのサブスクリプションアプリから顧客情報を移行したり、Shopify上で契約情報を管理したりできます。

また、アプリ自体が日本語に対応しているため、管理画面の操作やサポートもすべて日本語になっています。

Google

Googleは、Google広告と連携してスムーズに広告を出稿できるアプリです。商品数が多いと商品のフィードデータを連携するにも時間がかかりますが、アプリを利用すれば自動で連携できます。

ECマーケティングにおいて効果的なGoogleショッピング広告、動的リマーケティング広告なども配信できるため、効率的な広告運用にもつながるはずです。

Facebook

Facebookは、Facebook広告と連携してスムーズに出稿できるアプリです。Facebookを運営するMeta社がInstagramを買収したため、Instagram広告にも同様のフォーマットで展開でき、利便性の高い広告出稿アプリとして知られています。

とくにアパレルやコスメをはじめとする女性向け商材では、Instagramにおける広告効果を高めやすく、ぜひ入れておきたいアプリの一つです。

Shopify Email

Shopify Emailは、メルマガを配信できるアプリです。月10,000通から無料で配信できるため、運用開始したばかりのころはこちらでも十分対応できます。

同じくメルマガ配信アプリとして「Klaviyo」がありますが、片方を利用するのではなく、どちらもインストールしておき連携しておくのがおすすめです。Klaviyoではセグメント配信やポップアップバナーの配信、ステップメールを設定しておくなどして、Shopify Emailとの役割を分担するとよいでしょう。

Klaviyo

Klaviyoは、Shopify Emailと同様、メルマガを配信できるアプリです。ポップアップバナー広告の表示にも対応しており、活用法はメルマガだけにとどまりません。

たとえば、顧客の会員登録時に誕生日を入力してもらい、誕生日月にメールマガジンでバースデークーポンを配信する施策も行えます。会員登録ページのカスタマイズにも対応しており、自由度の高いシステムとしても知られています。

Product Reviews

Product Reviewsは、レビュー機能を追加するアプリです。レビューは、ECサイトにおいてユーザーが購入を判断するうえで重要な材料となるため、レビュー機能は必須ともいえます。

また、Product Reviewsでは投稿されたレビューへの返信もできるため、フォローアップにも活用できるでしょう。

Wishlist King

Wishlist Kingは、お気に入り機能を追加するアプリです。一度気に入った商品をお気に入りに追加する機能は、ユーザビリティを高められるうえ、会員登録を促す要素にもなります。

お気に入り機能を追加できるアプリはほかにもありますが、お気に入りリストページの編集、会員登録を促すカスタマイズなどもできるWishlist Kingがおすすめです。

TinyIMG SEO & Image Optimizer

TinyIMG SEO & Image Optimizerは、画像容量の圧縮、404エラーページのチェックなどを自動化できるアプリです。いずれもSEOにおいて重要なポイントとなっており、ECサイトも積極的に取り組むべき部分です。

とくにECサイトでは、画像容量が原因でページ表示速度が低下するケースが多く、画像圧縮アプリは必須といえるでしょう。

ReConvert Upsell & Cross Sell

ReConvert Upsell & Cross Sellは、購入完了画面をカスタマイズできるアプリです。商品の購入を完了したユーザーは次のアクションにつなげやすく、アンケートやSNSのフォローを促すのに適しています。

Shopifyではプレミアムプラン以上のプランでないと、購入完了画面をカスタマイズできませんが、アプリをインストールしていれば下位のプランでも編集できるようになります。

Shopifyを利用するメリット

引用:pixabay

前述のとおり、Shopifyは世界中のユーザーから利用されていますが、さまざまなカートASPのなかでShopifyを利用するメリットはあるのでしょうか。

以下では、Shopifyを利用するメリットについて解説します。

初期費用無料で利用できる

カートASPのなかには初期費用がかかるサービスもありますが、Shopifyは無料で利用を開始できます。本格的なECサイトを構築できるサービスの場合、初期費用が10万円以上に設定されているケースもあるため、Shopifyであれば大幅にコストを削減できるでしょう。

また、月額費用も29ドルから利用できるため、スモールスタートに適したプラットフォームといえます。

100種類以上のテンプレート(テーマ)がある

ShopifyをはじめとするカートASPでは、デザインテンプレートをもとにサイトデザインを組みますが、Shopifyでは100種類以上のテンプレートが用意されています。豊富なテンプレートが用意されているため、ほかのECサイトとデザインが被る可能性も低いでしょう。

アプリで機能を拡張できる

カートASPの弱点として拡張性の低さがあげられますが、Shopifyではアプリをインストールして機能を追加できます。基本的な機能はすべて標準で備えているうえ、独自の要件にはアプリをインストールして対応できるため、拡張性に長けたプラットフォームとなっています。

越境ECに対応しやすい

多くのカートASPは国内販売を前提に開発されており、多言語・多通貨への対応はできません。そのため、越境ECの構築にあたってはカートASPが候補から外されがちですが、Shopifyは多言語・多通貨に対応可能です。

海外版AmazonやeBayにも対応しているため、海外向けに展開しやすいプラットフォームです。

公式で用意されているマニュアル・ヘルプが充実している

Shopifyではカスタマイズ方法に関するマニュアルを提供しています。Liquid言語を用いたシステム開発などであればサンプルコードが丁寧に解説されているため、基礎的な知識さえあれば開発できるでしょう。

ヘッドレスコマース仕様にもできる

Shopifyは、近年トレンドとなっているヘッドレスコマースにも対応できます。ヘッドレスコマースとは、フロントとバックエンドを切り離したシステムモデルです。Shopifyをバックエンドシステムとして、さまざまなフロントシステムに連結すれば、あらゆるチャネルにおいて一貫した顧客体験を実現できるでしょう。

Shopifyを利用するデメリット

引用:pixabay

Shopifyにはさまざまなメリットがありますが、導入を検討する際はデメリットも理解しておかなければいけません。

以下では、Shopifyを利用するデメリットについて解説します。

日本語に対応していない部分がある

いまや、Shopifyはほとんどの部分が日本語に対応しており、公式のサポートも日本語で受けられます。しかし、一部のアプリはいまだ英語のみとなっており、利用にあたっては英語の説明文を読まなければいけない場面もあります。

ただし、日本語に対応していない部分はごく一部であるうえ、Google翻訳などがあれば問題なく利用できるでしょう。

国内のサポートデスクはメールのみ

Shopifyは日本語の公式サポートを提供していますが、問い合わせの手段はメールのみとなっています。電話やチャットですぐに解決できるサービスを提供しているのは英語版のみとなっているため、サポート体制の面ではすこし不便な面もあります。

また、メールデスクからの返答には5~10日程度の時間がかかる点にも注意すべきです。

プランごとの利用料金と各種手数料

引用:pixabay

Shopifyには3つのプランが用意されており、それぞれの利用料金と手数料は以下のとおりです。

ベーシックプランスタンダードプランプレミアムプラン
初期費用無料無料無料
月額利用料29ドル79ドル299ドル
販売手数料2%1%0.5%
プランごとの利用料金と各種手数料

上記の3プランに加えて、月額9ドルのShopify Lite、月額2,000ドルのShopify Plusが用意されているため、あわせて検討してみるとよいでしょう。

Shopifyの導入方法

引用:pixabay

Shopifyは、Web制作の知識や経験がない方でも簡単に利用できるように開発されています。ほかのカートASPと同様、シンプルな手順で導入できるため、以下を参考にしてみてください。

アカウント作成

はじめにShopifyの公式ページにアクセスして、メールアドレスを入力します。「無料体験をはじめる」をクリックすると、以下の情報を入力する画面が表示されます。

  • メールアドレス
  • パスワード
  • ストアの名前
  • ストアURL

アンケートに回答してストアの住所を設定すれば、アカウントの作成は完了です。アカウントの作成が完了すると、管理画面にログインできるようになります。

商品登録

次に、ECサイト上で販売する商品を登録します。画面左のサイドメニューから「ホーム」、「商品を追加する」の順で進むと商品登録画面が表示されます。

商品登録画面で入力する情報は、以下の項目です。

  • 商品名
  • 商品説明
  • 商品画像
  • 価格
  • 在庫コード
  • 在庫数
  • 配送設定
  • 商品重量
  • 関税情報
  • 商品バリエーション
  • 検索結果プレビュー

テーマの編集

商品登録が終わったら、画面左のサイドメニューから「ホーム」、「テーマをカスタマイズする」の順で進むとテーマ編集画面が表示されます。「テーマライブラリー」から任意のテーマを選択して「カスタマイズ」をクリックすると、テーマのデザインやレイアウトを調整できます。

カスタマイズページで編集できる内容は、以下のとおりです。

  • セクション/テーマ設定
  • ヘッダー
  • テキストオーバー
  • 特集コレクション
  • テキスト付き画像
  • スライドショー
  • セクションを追加
  • フッター
  • ページを選択
  • デバイスの変更

料金プランの契約

Shopifyに新規登録すると、14日間の無料トライアル期間が自動的にスタートします。無料トライアル中は一部機能が制限されているため、本機能を利用するにはプランを選択しなければいけません。

トライアル中は「ホーム」画面の下部に「プランを選択する」のボタンが表示されているため、クリックして任意のプランを選択できます。なお、引き続きトライアルを利用したい場合はプランを選択しないようにしましょう。

ドメインの購入

Shopifyでドメインを購入する場合、「ホーム」の「ドメインを追加する」をクリックします。右上の「新しいドメインを購入する」から新規ドメインを購入できます。

なお、Shopify上でドメインを購入する際は、クレジットカード・またはPayPalが利用可能です。

ストア情報の設定

ストア情報を設定する際は、左下の「設定」から「一般設定」へ進みます。住所や連絡先などの情報は、アカウント登録時の情報が引き継がれているため、以下の情報を記入しましょう。

  • 業界
  • ストア通貨
  • 基準と表示形式

配送方法の設定

配送方法を設定する際は、左下の「設定」から「配送と配達」へ進みます。配送方法設定画面では、以下の項目を設定できます。

  • 配送地域
  • 配送料
  • 直接配送
  • 店舗受け取り
  • 配送パッケージ
  • 明細表
  • 配送業者

Shopifyのおすすめテーマ

引用:pixabay

ShopifyでECサイトを構築する際、デザインのもととなるテーマは非常に重要な要素です。Shopifyには100種類以上のテーマが用意されており、Shopifyが開発した公式テーマ、ディベロッパーが開発した非公式テーマがあります。

また、テーマには無料で利用できるものと利用料が必要なものの2種類があり、しっかりつくりこみたい場合は公式の有料テーマがおすすめです。約2万円ほどと安くはありませんが、その分デザインやカスタマイズの自由度も高く、ユーザーの満足度も高くなっています。

以下では、Shopifyのおすすめテーマについて紹介します。

【無料】Debut

Debutはみずからカスタマイズをしたい方におすすめの無料テーマです。有料テーマは特定のカスタマイズを前提として開発されており、独自のカスタマイズをしようとすると、干渉してうまくデザインできないケースもあります。そのため、自由にカスタマイズしたい場合はDebutのような無料テーマが適しています。

一方、Debutはデフォルトのままだとシンプルすぎるデザインになってしまう点には注意すべきです。

【無料】Minimal

MinimalもDebutと同じく、カスタマイズしやすい無料テーマです。全体的にナチュラルな印象でまとめられているため、アクセントやメリハリをつけるようにデザインするのがおすすめです。

ただし、こちらもみずからカスタマイズをするつもりがない場合には、あまりおすすめできないテーマといえるでしょう。

【有料】Atlantic

Atlanticは洗練されたデザインが特徴的な有料テーマです。ポップアップバナーやスライダーなどを備えており、数多くの商品を掲載していてもスムーズに探しやすいレイアウトとなっています。

【有料】Prestige

Prestigeは画像をメインとする訴求に適した有料テーマです。大きなメインビジュアルが目を引くテーマとなっており、ブランディングにも適しています。タイムラインツールを活用すればストーリーテリングの形式で独自の価値を伝えることも可能です。

まとめ

引用:pixabay

Shopifyは世界的に広く利用されているカートASPです。リーズナブルな価格で本格的なECサイトを構築でき、コストパフォーマンスの高さには定評があります。なかには無料のカートASPもありますが、デザインや機能の面では不十分な部分も多いため、多少コストをかけてでもShopifyを導入しておくのがおすすめです。

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